消防法の改正

高層建築物等における防火・防災管理体制の拡充・強化

近年、雑居ビル等で多くの死傷者を伴う火災が相次いで発生していることや、東日本大震災での激しい揺れにより、高層ビル等において人的、物的被害が発生したことを受け、高層ビル等の防火・防災管理体制を強化するために行われたものです。

消防法の改正

統括防火管理者

1.統括防火責任者の選任・届出の義務化

統括防火責任者の選任・届出の義務化
管理権原者(事業所の代表者等が該当します。)は、協議により選任した統括防火管理者に、建物全体の防火管理上必要な業務を行わせるとともに、その旨を消防機関に届け出ることが法律上規定されました。
※統括防火管理者は、防火管理講習の修了者などで、建物全体の防火管理業務 に必要な権限及び知識を有する者として、建物全体の防火管理上必要な権限が与えたてていることなどを満たす必要があります。

統括防火責任者の選任・届出

2.統括防火管理者の業務・役割の明確化

統括防火管理者は、建物全体の防火管理体制を推進する必要があるため、各テナント等の防火管理者と連携・協力しながら、以下のような業務・役割を行います。

●建物全体についての消防計画の作成
・各テナント等の権限の範囲
・防火管理業務の委託範囲
・火災時の消防隊への情報提供など
●消防計画の基づく消火、通報及び非難の訓練の実施
●廊下や階段等の共用部分等の避難上必要な施設の管理
※全体についての消防計画と各テナント等の消防計画については整合を図ることが必要

3.防火管理者への必要な「指示権」の付与

統括防火管理者は、各テナント等の対応に問題があって、建物全体の防火管理業務を適切に遂行することができない場合等に、各テナント等の防火管理者に対して、その権限の範囲において必要な措置を指示することができます。

【参考例】
●廊下等の共用部分の物件撤去について
●建物全体の消火、通報、避難訓練の不参加者に対しての参加を促すことについてなど

統括防火管理者の選任が必要な防火対象物

①高さ31mを超える高層建築物
②特定防火対象物
地上3階以上、且つ、収容人員30名以上のもの。
ただし、社会福祉施設などの用途を含む場合、収容人員が10人以上のもの。
※特定防火対象物とは、百貨店やホテルなどの不特定多数の者が利用する建物や、病院、社会福祉施設などの火災が発生した場合に人命危険が高い建物などをいいます。
③地下街(消防長または消防署長が指定)、準地下街
④非特定防火対象物(複合用途)
事務所、共同住宅などが混在する複合用途防火対象物(②を除く)で地上5階以上、かつ、収容人員が50人以上のもの。
詳しくはお近くに消防機関にお問合せください。

統括防災管理者

    統括防災管理者においても、
  • 統括防火責任者の選任・届出の義務化
  • 統括防火管理者の業務・役割の明確化
  • 防火管理者への必要な「指示権」の付与
  • などの消防法改正の内容は同じです。但し、統括防災管理者の選任が必要な防火対象物は以下のようになります。

統括防災管理者の選任が必要な防火対象物

共同住宅、倉庫、格納庫等以外の全ての用途で管理権原の分かれている以下のもの
地上11階以上の防火対象物
(延べ面積10,000㎡以上)
②地上5階以上10階以下の防火対象物
(延べ面積20,000㎡以上)
③地上4階以下の防火対象物
(延べ面積50,000㎡以上)
④地下街
(延べ面積1,000㎡以上)
詳しくはお近くに消防機関にお問合せください。

届出が必要となる書類について

統括防火・防災管理者選任(解任)届出

改正法例は、平成26年4月1日に施行されます。
今回の法改正によって、各管理権原者は、統括防火・防災管理者を改めて協議によって選任し新たに定められた統括防火・防災管理者選任(解任)届出書(消防法施行規則別記様式第一号の2の2の2の2)を、平成26年4月1日までに管轄の消防長または消防署長に届け出なければなりません。

→東京消防庁 統括防火防災管理者の選任届出要領

全体についての消防計画の届出

全体についての消防計画の届出については、施行日(平成26年4月1日)後、速やかに新たに定められた様式(消防法施行規則別記様式第一号の2の2の2)により、届出が必要となります。
ただし、施行日に届出の受理を前提として施行日前に届出を行うことも可能ですので、各消防機関に確認してください。
その際、共同防火管理協議事項及び防火対象物の全体にわたる消防計画として届出がなされている場合は、届出書のほか改正法例に伴い追加又は変更となった部分を添付してください。